朱印状とは、朱色の印を押した公文書である。
とくに江戸時代初め、幕府が海外へ渡る船に与えた渡航許可状を指すことが多い。
だれが海外へ渡ってよいかを幕府が定め、貿易を管理するしくみの中心となった。
朱印状とは
朱印状(しゅいんじょう)とは、朱印(しゅいん、朱色のインクを用いた印章)を押した公文書のことである。
とくに江戸時代の初め、海外へ渡って貿易を行う船に対して幕府が与えた渡航の許可状を指して、朱印状と呼ぶことが多い。
朱印状のなりたち
もともと朱印状は、戦国時代の大名が命令を伝えたり、家臣の所領(しょりょう、領地)を認めたりするために出した文書であった。
織田信長や豊臣秀吉も、こうした朱印を押した文書を用いて支配のための指示を行った。
朱印は差出人の権威を示すしるしであり、その文書が正式なものであることを保証する役割を持っていた。
渡航許可としての朱印状
海外との貿易がさかんになると、朱印状は船の海外渡航を許可する証明書としても使われるようになった。
豊臣秀吉のころに始まり、徳川家康が江戸幕府を開いてからは、幕府が海外へ渡る商人や大名に対して、この渡航許可の朱印状を数多く発給した。
この朱印状を受けた船は朱印船と呼ばれ、それによる貿易は朱印船貿易と呼ばれた。
発給のしくみ
渡航を望む者は幕府に願い出て、行き先などを記した朱印状を受け取った。
朱印状を持つ船は、幕府から正式に認められた貿易船とみなされ、渡航先の国でも保護を受けやすかった。
また、東南アジアの国々や、日本に来ていた外国の勢力にも、朱印状を持つ船が正規の商船であることが伝えられた。
意義
朱印状は、海外との貿易を幕府の管理のもとに置くための重要な手段であった。
だれが海外へ渡ってよいかを幕府が朱印状によって定めることで、貿易の利益と海の秩序を国家が統制するしくみがつくられていった。